TECHNOLOGY
熊本大学発マグネシウム

 実用金属材料で最軽量のマグネシウムは、

古くから期待されている材料で、パソコンや携帯端末などさまざま分野で使用されてきました。

また、生体との親和性も高く、リサイクル性もあり、

エネルギーや環境問題などにおいて各種機器の軽量化やリサイクル性が求められる中、

マグネシウム合金は戦略的な材料としてますます期待が高まっています。

 一方で、アルミニウム合金などに比べて、

強度が不十分、発火しやすい、腐食しやすい、加工が難しい、熱伝導性が高くないなどの課題があり、

マグネシウム合金の用途は限られています。

 熊本大学では、マグネシウム合金に関し、従来の合金開発では試みられなかった

独創的な合金設計と、各合金に適切なプロセス設計を探求し、

マグネシウム合金の課題を解決する種々の新規合金を開発してきました。

 

MG Portでは、

不燃合金高熱伝導合金医療用高強度合金などを中心に

その実用化を目指して参ります。

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​不燃合金

従来のマグネシウム合金の燃えやすさを解消し、1000℃以上でも発火しない高強度合金。

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背景:従来の市販マグネシウム合金は470~550℃付近で発火、金属の固体のままでも燃焼します。そのため、軽量でも航空機など安全性の求められる用途に使えない、材料の保管や加工屑の扱いが難しい、溶融した金属が燃えるなどの課題がありました。

特徴:熊本大学では、アルミニウムやカルシウムなどの元素を高濃度で添加することで、燃焼を進行させない安定した酸化被膜を形成する組成を見出し、1000℃以上の加熱でも発火しない不燃性を実現しました。また、この合金の押出材では、既存のマグネシウム合金よりも機械的な強度が高く、比強度においてアルミニウム合金(例えば2024-T6など)を凌駕する特性も持ちます。

・代表的組成:Mg-Al-Ca-Mn

・不燃性:発火温度≌1,050 ℃(ほぼMgの沸点)

用途:鋳造用合金・切削加工用合金・航空用材料・鋼材の熱処理浴など

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熱伝導率が従来のマグネシウム合金より高く、アルミ合金並の熱伝導性を持つ高強度合金

高熱伝導合金

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背景既存の市販マグネシウム合金の熱伝導率はアルミ系合金の1/2~2/3程度と低く、軽量という利点があっても、放熱などの熱管理が必要な用途では熱伝導性が十分ではありません。

特徴:熊本大学では、不燃で高い熱伝導性を示す成分の組成比を見出し、従来のマグネシウム合金やダイカスト用のアルミニウム合金のよりも優れた熱伝導特性を持つ合金を開発しました。また、この合金の押出材では、既存のマグネシウム合金よりも機械的な強度が高く、比耐力においてアルミニウム合金(例えば2024-T6など)を凌駕する特性も持ちます。

・代表的組成:Mg-Al-Ca-Mn

・熱伝導率 :120WmK(汎用マグネシウム合金で50 WmK程度)

用途:電子機器・LED用放熱基材・製造装置(リフロー用担体など)​・調理器具など

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​医療用高強度合金

医療用に使用できる十分な強度と耐食性を備えた合金

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背景:マグネシウムは医療材料としても期待されており、体内の必須成分でもあり生体親和性が高いこと、体内で腐食・分解されて機能を終えた後に体内に残留しないこと、軽量であるため身体の負担が小さいこと、などの特徴があります。一方で、期待される応用の骨の固定や微細材による血管拡張には、十分な機械的強度が得られていませんでした。また、耐食性も不十分で、体内でその効果が発揮されるまで維持されないという課題もありました。

特徴:熊本大学では、新しい組成のマグネシウム合金を液体急冷法というプロセスを用いて、強度が高く耐食性に優れた合金を開発してきました。具体的には二つのタイプの合金を開発しました。

循環器系の医療材料として、ステントなどのように細線により構成される機器でも、血管内で形状が維持できるような強度を持つ合金。亜鉛やイットリウムなどの元素を含み液体急冷法というプロセスで作製されます。

​1.

整形外科系の医療材料として、骨の固定などにも十分な強度を持ち、骨の形成促進への効果も期待される合金。亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、マンガンなどを含み、液体急冷法というプロセスで作製されます。

​2.

用途:循環器系医療機器:ステント・フローダイバータなど

   整形外科系医療機器:骨固定具・インプラント用材料